不器用ハートにドクターのメス
本当に自分とは真逆なのに、よくここまで縁が続いているよなと、過去から今までを一気に振り返って、神崎は思う。
人付き合いは最低限でいいという考えの自分は、とてもここまで社交的にはなれない。
だからこそ、ちょうどバランスが良いのかもしれないが。
真逆だ。俺とも……あいつとも。
神崎はまた、無意識のうちに、脳内で真由美の姿を描いていた。
自分と一緒で、福原は、全く社交的な方ではない。
互いに幅広い人間関係を持っていない。ただ、福原と自分とでは、非社交的の種類が違っているーーと、神崎は考える。
人と関わりたくない自分と違い、福原の方は、人自体は好きなのだ。関わり方が、下手くそなだけなのだ。
あの外見であの口下手っぷり。しかも気を遣いすぎることで、かえって悪循環に陥ってしまっているのだ。
その不器用さに、自分はいつもつい、手を差し伸べたくなってしまう。
求められていようがなかろうが、だ。
もっと自分を出せばいいと、すり減らさなくていいと、何度も言ってやりたくなる。
……って、だからなんで俺は。
そこでやっと、また真由美のことばかり考えてしまっていた自分に気づき、神崎は竹の器をつかむと、残っている酒を引っかけるように飲んだ。
違う、と自分に言い聞かせる。
ここのところ、露骨に避けられているから。それで余計に気になってしまっているだけだ。
人間だれしも、明らかに避けられれば違和感を覚えるだろう。それだけだ。
経験したことのない自分のあやふやな感情に、神崎は無理矢理、回答をはめ込む。