いつか孵る場所
− 気になる −

桃子はお昼ご飯を一緒に食べ、夕方に帰って行った。

ハルは桃子の言う

『色々』

が引っ掛かっている。

今日の服の件でもそうだけど。

透の両親の事かなあ。

いよいよ会うのかなあ。

それにしてはそれ以上の含み笑いをしていたな、とか。

透に直接聞いてみたら良いのかな…。

でもまだ怖くて聞けない。

聞いたら…きっと正気ではいられない事のような気がする。

− 寒気がしてきた −



一人でいると悶々としてしまうので近所のスーパーへ買い物に出掛けた。

透の病院へは歩いても行ける距離だし、スーパーもコンビニも近い。
郵便局も銀行もそんなに遠くない。

この場所のマンションを選んだ透はやっぱり合理的だなあ、なんて考えながら歩いていた。



− あれ… −

さっきまで桃子と2人でお菓子やケーキの食べ放題、みたいな事をやらかしていたのに…。

お腹が空いた。

桃子なんて

『今日の夜ご飯は至さんの分だけでいいわ〜』

と言っていたくらい、食べたのに。

ハルも今日は何も作らないでおこうかな、まあ明日の分を今日、買いに行こうというノリで外に出たのに本格的にお腹が空いている。

− …暇すぎるからかな −



その時はさほど気にしていなかった。
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