いつか孵る場所
久しぶりに一緒にベッドに入る。

当たり前のようで当たり前ではないということを改めて実感する。

透が後ろからハルを抱きしめると、右手でハルのお腹を触った。

「あと少しだね」

「うん…」

「あと少しでもう一人、家族が増えるし…。
でも、こうして二人で過ごせるのもあと少し」

透はハルの肩に自分の顎を軽く乗せる。

「僕は少し寂しい気もするけどね。もう少し二人でいたかったなあって。
僕が蒔いた種だからこんなことを言うのは自分勝手だと思うけど」

ハルは目を閉じた。
すっと頬に涙が流れる。

「ハル…?」

透はハルのすすり泣く声に驚いてハルの体を仰向け気味にした。

「私も…
一緒の事を考えていた」

透はフッと切なそうに笑うと

「そっか…ハルもそうだったんだ」

ハルの頬を撫で、涙を拭きその唇にキスをする。

「大丈夫。
今は二人の時間が愛おしくても、子供が生まれてそれに慣れてしまえば逆に今度僕らが二人きりになったら気まずいかもしれないよ」

そう微笑む透にハルも少し微笑む。

「大丈夫だよ、今の僕達なら乗り越えていける、きっと」
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