いつか孵る場所
とはいえ透は受験生。
ハルは家庭の事情で就職希望。
ハルも役に立ちそうな資格を取るために勉強しなくてはいけないけど、そんな時間は家に帰るとない。

二人は放課後の図書室でそれぞれの勉強をするようになった。

そうすれば途中まで一緒に帰られる。

「簿記かあ」

透はハルが手にしていた簿記3級の問題集を取った。

さっと1冊、10分程度で流し読みをして

「うん、これなら教えてあげられるよ」

いきなり言われて驚くハル。

「えっ、もうわかったの?」

「うん、大体」

ハルはその言葉に甘えて自分が理解出来なかった部分を聞くと、多分、学校の先生よりわかりやすい言葉で伝えてくれる。

具体例を挙げるのが本当に上手かった。

「ありがとう〜」

ハルが本当に嬉しそうにお礼を言うと透も嬉しくなる。

「いえいえ」

自分が少しでも人の役に立つのは嬉しい。



− 人の役に立つ…か −

この頃から透は真剣に自分の進路を考えるようになっていた。
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