いつか孵る場所
「医学部を受験しようと思う」

季節は巡り、夏。

久しぶりに高石家では家族揃っての夕食。

透は父に模試の結果を見せるとそう言った。

「そうか…」

少しだけ笑みを浮かべる父。

「見せて」

至が模試の結果を手に取る。

「おお、凄いなあ…」

全国で8番。

「予備校行かずにこれか」

「兄さんの時はもっと受験する人が多かったと思うよ」

「いやいや、そんな事はない。僕なんて到底敵わないよ」

至は誉め称えた。

「透はきっと何をさせても器用にこなすタイプだと思う。ただ…」

至の目が心配そうな色をしていた。

「強烈なストレスとか…。何かそういう事があれば崩れそうなタイプでもあるね。まあ乗り越えたら凄く強くなると思うけど」

そのストレスが立て続けに起ころうとしているとはまだこの時、誰にもわからなかった。
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