いつか孵る場所
至が立ち去った後。
ハルは軽い目眩に襲われていた。

− 透… −

手をギュッと握りしめる。
彼の事を考えるだけでクラクラする。

でも、今。
付き合うとなると、年齢的にもすぐに結婚とか。
そういう話になる。

家柄は全く釣り合わないし、学歴も。
何より、透の両親。
兄の至は色々と協力的だし、今の言葉でも協力してくれるのは間違いない。
しかし…特に母親。
20年も経てば少しは丸くなっているかもしれないけれど、出来れば会いたくない。

結婚は本人同士ではなく家と家の結婚だと年を取るにつれて尚更思う。

それに、大竹。
彼をまず払いのけないと前には進めないと思う。

と、考えてハルは苦笑いをした。

「バカみたい…。」

唇をかんだ。

「付き合うって決まったわけじゃないのに」
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