さくらの花が舞う頃に
「水川先生と付き合ってないって………
じゃあお前、まさかまだ大橋さんのこと…………」
「……………好きだよ」
俺の本当の気持ち。
それを戸山に伝えると、戸山は大きく目を見開いてそのまま固まった。
そりゃ固まるよな。 だって…………さくらはこいつの彼女なわけだし。
いきなり彼女のことを好きっていうやつが現れたら、そりゃ固まる…………
「…………嘘だろ」
「は?」
戸山がまた呆然とつぶやいた。
つか、何だよこいつ。 さっきから嘘、嘘って。
俺そんなに嘘つきじゃねーし。
「なにが?」
ちょっとだけムッとしながら戸山に問いかける。
すると、戸山は俺の目をまっすぐ見つめながら言った。