さくらの花が舞う頃に
「じゃあ…………じゃあ、大橋さんとお前は…………」
え?
俺とさくら?
「なんだよ」
言いかけて口をつぐんでしまった戸山に聞き返す。
「俺とさくらが何……………」
「いたっ!!先生ー!!吉澤先生ー!!」
もう一度聞き返した俺の声は、向こうの方からバタバタと駆け寄ってきた女子生徒の声によって
かき消されてしまった。
あー、タイミング悪いな。
戸山は未だに呆然と俺を見ている。
話の内容は気になるけど、呼び止められたからこの女子生徒を優先しないと。
俺が振り向くと、バタバタと駆け寄ってきたのはさくらと仲のいい、
夏本 恵美と山本 佳奈だった。