大人の恋は波乱だらけ!?
「では、君に問おう。利益以外に何が必要だというのかね?」


その問いかけに私は笑みを浮かべた。
そんな事とっくに私の中で答えは出ていたから。


「人を想う気持ちです」


真っ直ぐと言い放つ。
数秒後それを全否定するかの様に社長は笑い出した。
その姿を私と高梨部長は黙ったまま眺めていた。


「“人を想う気持ち”?そんなもので飯が食えるのか?
会社の為になるのか?」


確かに社長の言葉は尤もだ。
それだけでは利益は生まれないし、利益がなかったら会社は倒産してしまう。
だけど……。


「それでご飯は食べられません」

「そうだろ?だったら……」

「でも会社の為にはなります!!」


力強く言い放った言葉に社長は顔を顰める。
高梨部長は心配そうに私を見つめていたが、止めようとはしなかった。


「人を想いやれない人に、心を動かす様なゲームは作れない。
……私はそう思っています」

「っ!?」


私の言葉に反応をしたのは、社長ではなくて高梨部長だった。
何かを思い出した様に彼は私に視線を向ける。
それに気が付き、ニコリと笑みを浮かべた。


「消費者の方を想って、どんなゲームを作れば喜んでくれるか。
どんなキャラが愛されるのか……挙げればキリがないですが……。
そうやって、誰かの為に、誰かの笑顔を想って作るから最高のゲームが出来るんです。
利益ばかりを追求するようなゲームは、お客様の心には届きません。
心に届くゲームが出来たら、自然と利益はついてきます。
あくまで、利益は副産物であり、何よりも大切にしなけれないけないのは……相手を想う気持ちだと思います」


ずっと、ずっとそうやって考えてきた。
だからこそこの考えは否定されたくない。
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