大人の恋は波乱だらけ！？
熱いシャワーのお湯が私の体から疲れを取り除くかの様に降り注がれる。
目を瞑り存分にお湯を浴びていれば、胸がドキドキと高鳴っているのが分かった。

お風呂から上がれば私は高梨部長と……。
考えただけで恥ずかしい。
火照る体はシャワーのせいだけじゃない事なんて容易に分かってしまい、更に私の体を熱くさせた。


「それにしても……広いお風呂だな……」


周りを見渡せば、いかにも高級そうな大理石の床が私を見上げているし。
雰囲気もオシャレで緊張してしまいそうになる。
昴さんの家で慣れているからと言って、緊張しないと言う訳ではないのだ。
それに高梨部長の家は最上階という事もあり、スケールが違うのだ。
シャワールームなんてガラス張りになっていて、高級ホテル並みだ。
ボタン一つでスモークが掛かる仕組みになっており、中からは外が見えるが、外からは見えないように設定が出来る様になっている。
だからと言って、恥ずかしくない訳ではないが。


「そう言えば……。
昴さんに遅くなるって言ってないな……」


遅くなる時はいつも彼に連絡をするようにしていた。
ご飯の事もあるからだ。
だけど、今日は昴さんだって外にいたし、私が高梨部長といる事だって分かっているし大丈夫か。
そう思っていれば、頭にいきなり昴さんの顔が浮かんでいく。
その隣にはさっきのブロンドヘアーの女性が色っぽい目つきで彼の腕にすり寄っている姿も見える。
何故だか分からないけど、僅かに胸が痛んだ。
昴さんと女性が一緒にいる所なんて見慣れているはずなのに。
そもそも私には関係ないというのに、なぜ胸が痛むのだろうか。
考えても考えても、きっと答え何て分からない。
分からない方がいい事も世の中にはある。

モヤモヤとした気持ちを洗い流す為に、お湯の温度を熱くする。
全てを流して、このお湯と共に。
そう願いを込めて、固く目を瞑った。
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