大人の恋は波乱だらけ!?
「うぅっ……もう読めませんっ……」


涙で視界がぼやけて、文字が全然入ってこない。
昴さんに原稿用紙を渡しながら泣き続けた。


「はあ?さっきからちっとも進んでないじゃねぇか」

「もう限界です」


涙声で訴えれば呆れた顔をされる。


「まあいい。それよりよ……」


昴さんは原稿用紙を受け取りながら言いにくそうに顔を歪めた。


「アイツとはどうなってるんだよ」

「アイツ……高梨部長ですか……?」

「……ああ」


高梨部長の名前を出せば一瞬だけ顔を顰める昴さん。
だけどすぐに冷静を装っていた。


「……いつもと変わらないですよ」

「……そうか」

「はい」


私たちの静かな会話。
だけど何故か心が痛くなっていく。
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