大人の恋は波乱だらけ!?
「それに……。
貴方だってこれ以上傷つく必要はないから」

「はあ?」


思わず口に出てしまう私の想い。
それを聞いた昴さんは素っ頓狂な声を出していた。


「何で俺が傷つくんだよ!」


馬鹿にした様に笑う彼だけど……。
少し動揺している様に見えるんだ。


「だって昴さんは人を騙して平気な顔をしていられるような酷い人間じゃないから」

「馬鹿じゃねぇか?
今まで俺の何を見てきたらそう言えるんだよ」


鼻で笑う昴さん。

だけど私は知っているよ。

昴さんは態度こそ大きいけど、本当は優しい人だって。
口調は怖いけど、言っている事は正しいし。

理不尽で、少し常識から外れているけど……。
夢を追いかける真っ直ぐな人だって。

だから……。


「見てきたからそう思うんです」

「っ……」


哀しそうに揺れた瞳を私は見逃さなかった。
追い打ちを掛ける様に言葉を投げかけた。
< 368 / 514 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop