大人の恋は波乱だらけ!?
「うるせぇな……本当の俺を知りもしないで好きとかほざいてんじゃねぇぞ」


いとも簡単に脱ぎ捨てられた仮面。
いつもの昴さんへと変わっていた。


「えっ……スバル……」


驚く女の人にお構いなしで昴さんは不敵な笑みで笑った。


「絶望でもしたか?俺はな……お前が想像してたような完璧な人間じゃねぇよ。
だから……」

「う……うぅ……」


事態を把握した様に泣きじゃくる女性。
そんな女性を一瞥して、彼は深く頭を下げた。


「俺の事は忘れてくれ。散々、俺に尽くしてくれて愛してくれたのに……。
身勝手だって分かってる。だけど……俺は本気で愛したい奴が出来たんだ」


そう言って頭を上げた昴さん。
その横顔は凄く穏やかで優しかった。

ズキンと痛む胸が私の心を表していく。
ああ、やっぱり私は……。

動揺した私はその場を立ち去ろうと足を動かす。

だけどその拍子にジャリっと砂を踏みしめてしまった。
その音で2人は私の存在に気付いてしまったみたいだ。


「あっ……」


逃げ出そうとするけど、思う様に足が動かせない。


「は……葉月……」


昴さんに名前を呼ばれるけど反応すら出来ないんだ。
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