大人の恋は波乱だらけ!?
固まる私と昴さん。

そんな私たちを交互に見て女性は何かを察した様に笑顔を浮かべた。


「あの子がそうなの……?」

「……ああ」


女性の質問に一瞬止まった昴さんだけど、何かを決意した様に頷いた。


「……そう」


女の人は昴さんに笑顔を向けるとそのまま私の方へと歩いてきた。


「え……あの……」


何が何だか分からずに立ち尽くしていれば急に視界がぶれていく。
それと同じくらいにパチンと乾いた音がすぐ近くで聞こえたんだ。


「痛ッ……」


数秒後、ジワリと痛む頬。
手で押さえながら呆然としていれば女の人は鋭い目で私を睨んできた。


「アンタなんかいなければよかったのに」

「っ……」


初対面の人間に言われる筋合いはない。
だけど……涙を流したその顔で見られると何も言えなくなってしまうんだ。


「そうすれば……スバルのあんな幸せそうな顔を見なくても済んだのに」

「え……」

「あんな顔をされたら……引くしかないじゃないっ」


泣いているはずなのに、にっと口角を上げる彼女。
そんな彼女を眺める事しか出来ずにいれば……。


「何してんだよ!!」


私の肩は力強く抱きしめられた。
それはほかでもない……昴さんによって。
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