大人の恋は波乱だらけ!?
「コイツは関係ないだろーが!殴るなら俺を……」

「バカね。私からスバルを取った罰よ」

「意味分かんねぇ事を……」


昴さんは私を守る様に女性の前へと立ってくれる。

その背中は大きくて頼もしい。


「昴さん……大丈夫です」

「お前な……こんなに顔を赤く腫らせた奴が言っても信憑性ない……」

「大丈夫ですから」


私の頬が紅いと言うならそれは殴られたからだけではない。
昴さんが近くにいるからだ。


「……もういいわ、アンタ達見てると腹が立ってくる。
後は2人で気が済むまでラブラブしてろ!!」


女性はフンと鼻を鳴らして去っていく。

彼女もまた……。
昴さんを本気で愛した人なのだろう……。

その後ろ姿が明美と重なっていくんだ。

何とも言えない気持ちで見ていれば急に視界に映る景色が変わった。


「す……昴さん……」

「大丈夫……か?」


視線に合わせるように腰をかがめる昴さんは、優しく私の頬に手をあてた。


「は……はい……」


頷くだけで精一杯だ。
彼の顔が近くにあるだけでドキドキするというのに……。
そんなに心配そうな顔で私を見つめないで……。

加速する鼓動を感じながらも彼から目を離さないのは……。
自分の気持ちに気が付いてしまったからだ。

昴さんに会ったら迷いもなく気付いてしまう。
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