大人の恋は波乱だらけ!?
私が彼を、昴さんを……。
好きになってしまったという事を……。


「……」

「……」


黙ったまま見つめ合う私たち。

2人の間を一際強い風が吹き付ける。

そこでやっと我を取り戻したかの様に顔を背ける。


「お……お前何やってんだよこんな所で……仕事は?」

「……打合せが終わって帰る所です。
す、昴さんこそ何してるんですか……ビックリしたじゃないですか……。
いきなりあんな場面に出くわして……それに……明美とだって……」


次第に語尾に力が鳴っていく。
そんな私を見て昴さんは小さく笑った。


「本当にとんでもない所に出てきたよな。
おまけに殴られるわで……悪かったな……」


昴さんは再び私の頬に触れた。

それだけで心臓が飛び出しそうになる。


「な……なんですか!昴さんらしくないですよ!
そんなに素直に謝るなんて……」


この胸のドキドキから逃れたくて。
わざと明るくふざけた様に振る舞うけど……。


「ああ、らしくねぇよな」


昴さんは困った様に笑った。
そんな顔を見せられると私まで普通ではいられなくなる。
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