大人の恋は波乱だらけ!?
「……」

「……」


再び私たちを取り巻く沈黙。
誰もいない静かな公園に私たちの呼吸の音だけが聞こえていた。


「葉月」

「……何ですか……?」

「漸く分かった」

「何の話ですか?」


分からなくて首を傾げる。
でも昴さんは答えてはくれない。
その代わりと言わんばかりに優しい笑顔を向けられた。


「あのバーで初めて会った時、面白い女だって思った。
俺の顔を見ても顔を紅くしない奴は初めてだったからな」

「……何ですかその自意識過剰な発言」

「そうやって俺に対してハッキリものを言う奴もいなかった」

「うっ……」


顔を歪ませれば昴さんは楽しそうに笑うんだ。
何か言い返そうと考えたけど、その笑顔に何も言えなくなってしまう。
そんな私をよそに彼は喋り続けた。


「酔い潰れたあの日も、何時間も待たせたあの日も。
お前はいつだって……真っ直ぐに俺を見ていた。
本性の俺を知ったって何1つ変わらず寧ろこっちの方が好きだなんて恥ずかしげもなく言いやがって」

「そ……それは……本当の事ですから……。
嘘つきだらけの笑顔より……俺様だけど無邪気な貴方の笑顔の方が好きだから……」


いつもムスッとしている事が多いけど……。
ハンバーグやケーキ、小説の事になると子供の様にキラキラと笑顔を輝かせる貴方の方が……。
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