大人の恋は波乱だらけ!?
「えっと……この資料を届けに来ました」

「あ……ありがとうございます」

「じゃ、じゃあ私はこれで……」


気まずさに耐えきれなくなった私は逃げ出そうと体の向きを変える。


「待って!!」


それを止めたのは明美だった。
声を掛けられるとは微塵も思っていなかった為、驚きながらも彼女の方を向く。


「な……なに?」

「……」


少しの沈黙が包む。
でも明美は意を決した様に小さく口を開いた。


「社長が倒れたんだってね……。
高梨部長は……その……大丈夫……?」


言いにくそうにモジモジと体を捩りながら喋る明美。
そんな不器用さに私はどこか安心していた。
やっぱり、明美は明美だ。
彼女は何1つ変わってなんかいない。


「うん……かなり参ってるみたいだけど……高梨部長なら大丈夫だよ。
あの人は……強いから」

「そ、そっか……良かった」


また出来た沈黙に彼女は苦しそうに顔を歪める。
何かを言おうとして迷っている表情だ。
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