大人の恋は波乱だらけ!?
『すげぇ美味い!!お前のも一口よこせ!』


ふいに無邪気な笑顔が頭の中に浮かぶ。
それは昴さんの笑顔だった。

いつも無表情かむすっとした顔をしているのに……。
どんなに機嫌が悪くてもケーキを出しただけで無邪気な笑顔へと変わる。

そんな笑顔が大好きで……。
彼の喜んでいる顔が見たくてケーキを買って帰った事もある。


「……桜木」


考え込んでいれば名前を呼ばれる。
ハッとした様に笑顔を作って高梨部長を見つめた。


「はい」

「……桜木……おいで」


高梨部長は私の手を掴むとソファーに座っていた自分の膝に私を座らせた。
『おいで』という割にはかなり強引で驚いてしまう。
恥ずかしさで顔が熱くなっていく。


「あの……」

「なあ」

「はい?」

「俺から離れないでくれ」

「え……」


言ったと同時に体を引き寄せられる。
哀しそうな声が耳元で響いた。
それに気を取らて体の力が抜けていく。
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