SECRET COCKTAIL
あれからずっと、なんだか気持ちが浮ついていた。
またあの人に会えたらいいなと、どこかでそう思っている自分がいる事にはっきりと気が付いていて。
だけど自分ではそれをどうする事も出来なくて。
そんな気持ちの変化を自分自身ですら持て余していた。
それからも、変わりのない日々を送っていたけれど。
再会の日は、案外早くやって来た。
「お兄ちゃん、入るね」
コンコンと一応ノックをしてからお兄ちゃんの部屋のドアノブを回した。
「あのね、これなんだけど」
自分の手元を見せるようにして視線を上げると。
「え、」
つい、間抜けな声が口から洩れてしまった。
だってそこに、思いもしなかった人が座っていたから。