SECRET COCKTAIL
「俺は良いですよ、お母さんの美味しい手料理付きなら。一人暮らしだし、美味しい家庭料理に飢えてるので」
にっこりと笑う雅君の表情に、完全に母はノックアウト状態。
「あら、そうと決まれば話は早いわ。お食事はもちろんだけど、きちんとバイト代はお支払させて頂きます、先生」
「いえ、バイト代は結構ですよ。友達の家からお金なんて頂けません」
「そんな訳にいかないわよぉ。中途半端な事をしたら、結局未來は甘えちゃうんだから」
すっかり雅君を気に入ってしまった母は、勝手に二人で家庭教師の話を進めてしまって。
二人に取り残された私とお兄ちゃんは、その場で唖然と二人のやり取りを眺めている事しかできなかった。