SECRET COCKTAIL
その後、雅君の大学も試験期間に入ったから、しばらく雅君が家に来る事はなかった。
今までもそういう事はあったから、何も不思議に思ってはいなかったけれど。
次に会った時。
鈍い私でも、なんだか様子がおかしい事に気が付いた。
「雅君、大丈夫?」
「ん?なにが?」
向けられた瞳が。
表情が。
いつもと違って、酷く力ない物だという事を。
「なんか、疲れてる?」
「いや、そんな事ないよ」
笑みを浮かべて否定するけれど、そんな言葉は無意味だと思える位、雅君は疲れているように見えた。