SECRET COCKTAIL
「さっきは怒鳴って悪かったな」
「ううん。それは当然だと思うし」
「正直、美來にこんな姿見られたくなかったんだけどな」
雅君が、苦笑いを浮かべる。
「だけど、知らせに来てくれてありがとな」
「突然来て、ごめんなさい」
久しぶりに聞く優しい声。
「いや。美來は、俺にとって最後の教え子だから、嬉しいよ」
最後の教え子。
その言葉が、妙にリアルに響いた。
教師になると言っていた雅君の夢は、もう叶う事はないのだろうか。
無情な現実を見せつけられたような気がして、私はつきんと胸が痛んだ。