SECRET COCKTAIL
私たちに残された時間は短かった。
雅君の事を、ここで独り占めできない事は知っていた。
「ミヤビさん、彩芽さんからご指名です」
グラスの中のカクテルが、丁度なくなった頃。
近寄って来た黒服の男性が雅君にそれを告げる。
その言葉に、静かに息を飲む。
「誰かヘルプに付けますね」
「いや、ここは俺だけで」
困ったような表情でそんなやり取りをしているのを聞いて、私は雅君のスーツの裾をきゅっと引っ張った。
雅君の視線がこちらに向けられる。