SECRET COCKTAIL
「じゃあ、気を付けて帰れよ」
「大丈夫」
「元気でな」
もうこれっきりのようなセリフに、胸がぎゅうっと締め付けられる。
「雅君も」
名残惜しさの欠片も見せず。
私の想いをあっさりと振り切るかのように、雅君はすぐに背を向けて扉に手を掛けた。
これでいいんだろうか。
これで。
これっきりで。
私は、本当に後悔しない?
それを思った時には、私はもう雅君のスーツを掴んでいた。