SECRET COCKTAIL
「過去は消せねぇだろ。あいつに俺が相応しくないって事は、自分が一番分かってる」
「消す必要だってねぇだろ。お前が家族のためにやって来た事だ。自分が出来る範囲の事をして、一体何が悪いっつーんだよ。それにあいつに相応しくないなんて、お前が決める事じゃねぇよ」
「お前がムキになる事じゃねぇだろ」
呆れたように眉を顰めた雅弥は、皮肉っぽく口角を上げた。
確かに自分で選んだ道で。
あの時、それしか選択肢がなかった事とはいえ。
元々生真面目で、曲がった事が嫌いな性格だ。
自分自身の中で、どれほど葛藤があったかなんて、俺に推し量る事は難しいに違いない。
だけどこれ以上、こいつは傷つかなくたっていいはずだ。
もう、何かを諦める必要だってない。