SECRET COCKTAIL


「あの時、俺にそんな感情を抱く資格のない事は分かり切ってたし、自分の気持ちにも充分戸惑ってたよ。美來の両親や穂積にだって簡単に言える事じゃない。出来る事ならこのまま黙って傍にいて、美來が大学生になってから、この気持ちを伝えられたらいいって思ってた」



いつの間にか、昔話は。

女の子の名前がはっきり告げられていて。


私はまだこの状況が、夢の中にいるかのように感じられていた。



「あんな事があって。もう傍に居るべきじゃないって気付いていた。それでも美來の受験が終わるまで家庭教師を続けたのは、俺の未練なんだよ」


「そんな、だって雅君はっ」



あの時、雅君は確かに私を恋愛対象外と言っていたのに。


すでに涙声で声が震えて。

胸が一杯で言葉に詰まってしまったけれど。


言葉にしなくても、雅君はその言葉の先を察してくれたのか苦笑いを浮かべた。

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