SECRET COCKTAIL
「あの時は、そう言うしかなかった。あれは自分の未練を断ち切るための言葉でもあったんだ。二度と会いに来るな、なんて、あの言葉に傷ついたのは、俺自身だったよ」
「ま、さ君」
本当に。
本当に?
次から次へと信じられない言葉が続いて、私はこの現実を上手く受け止められない。
「傷つけてごめんな」
雅君が、苦しそうな表情で私を見つめて。
その右手で、そっと私の頬を流れる涙を拭ってくれた。
私は、無言で首を振る。
だって、言葉が出ない。
こんな風に、雅君の気持ちを知る日がくるなんて、考えた事もなかったから。