SECRET COCKTAIL
「雅君の一日を欲しいっていう言葉にすぐに了承したのを聞いて、あの人が雅君の特別な人なんだって思った。ずっと、雅君の傍にいたのは、あの人なんだって」
私の言葉に、雅君は驚いたように目を見張る。
そして、「全然違う」と首を振った。
まるでそんな事、思いもしなかったと言うように。
「彩芽さんは、ホスト時代の一番のお客さんだったんだよ」
そう言って、私に言い聞かせるみたいに、目を真っ直ぐに見て言葉を続けてくれた。
「あの人は、自分で立ち上げた会社の社長をしているんだ。地元に旦那さんと小さな息子さんが一人いて、二人を置いてこっちでほとんど仕事をしていたんだ」
「結婚、してるの」
思いもよらなかった事実に、身体の力が抜けた気がした。