SECRET COCKTAIL
見渡すと、店内に俺たち以外に客はもういなかった。
どういうことだろうと考えながら相手に視線を向ければ。
「俺は、高城雅弥。君は?」
そんな自己紹介をしながら。
男の俺から見ても男前だと思えるその男は、隙を見せない鋭い瞳を見せて来る。
明らかに値踏みされているようなその視線に、負けないように姿勢を正す。
「多田知基。彼女の会社の同期です」
「なるほど。で、今日は?」
なんだ、こいつ。
と思った。
明らかに敵意が見える相手の瞳は。
彼女の事を何とも思っていない男の物には見えなかった。