SECRET COCKTAIL


見渡すと、店内に俺たち以外に客はもういなかった。

どういうことだろうと考えながら相手に視線を向ければ。


「俺は、高城雅弥。君は?」


そんな自己紹介をしながら。

男の俺から見ても男前だと思えるその男は、隙を見せない鋭い瞳を見せて来る。

明らかに値踏みされているようなその視線に、負けないように姿勢を正す。


「多田知基。彼女の会社の同期です」


「なるほど。で、今日は?」



なんだ、こいつ。


と思った。


明らかに敵意が見える相手の瞳は。

彼女の事を何とも思っていない男の物には見えなかった。

< 76 / 341 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop