SECRET COCKTAIL
「なぜそんな事をあなたに言う必要が?」
それを問うと、彼の表情がふっと微かに和らいだ。
「これは失礼。ここからは、バーテンと客じゃなく、男同士の話をしようか」
「望むところです」
高城雅弥と名乗ったその男は、余裕気な仕草でカクテルを口に運んだ。
俺も、妙に緊張する気持ちを紛らわせるように、同じカクテルを口に運ぶ。
甘さのひとかけらもない、ウォッカをベースにしたドライなカクテル。
まるで今、目の前にいる男から向けられている視線のようだった。
「俺は、ある人から彼女の事を託されてる。だから、半端な男を彼女に近づけるつもりはないんでね」
そういう事か。
だから、値踏みするような瞳で俺の事を見ていたのか。
彼の言う、ある人と言うのも気になったけれど。
もっと気になったのは、彼の評価の方だった。