強引な彼の求愛宣言!
訪れるのは二度目になる、彼の住むマンション。

だけど以前玄関ドアをくぐった瞬間のことを正直思い出せないから、やっぱり初めて来たみたいにドキドキする。


武藤さんに続いて玄関に足を踏み入れた私は、不意に振り返った彼と目が合って固まる。



「ごめんね。鍵、かけてもらってもいい?」

「あ……はい」



ひとの家の──しかも武藤さんの家の鍵をかけるなんて、不思議な感じだ。

ひやりと冷たい銀色のつまみを回し、それからチェーンもかけようとする。

だけど緊張からか手が震えて、なかなか思うように引っかからない。

躍起になってカチャカチャ音をたてながらあせる私の背後に、ふと気配を感じた。



「──深田さん」



彼の、低くて甘い声。

硬直する私の顔のすぐ左横を通過して、トン、とドアに片手をつく。

その後反対側から伸びてきた手が、簡単にチェーンをかけた。



「あんまり俺、余裕ないから。……このまままっすぐ、寝室行ってもいい?」

「……ッ、」



ただでさえ、その声には弱いのに。

耳元でささやかれた言葉の内容に、私の頭はますますダメになってしまう。

熱くなった顔をうつむかせたまま、ようやく私は小さくうなずいた。
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