強引な彼の求愛宣言!
◇ ◇ ◇
「武藤、今日めちゃくちゃ楽しそうだな……」
「え?」
ぼそりとつぶやかれたそのセリフに、皿に伸ばしかけていた箸が止まる。
視線の先では大学時代からの友人・松岡が、テーブルの向こうからなんだか胡散臭そうな眼差しをこちらに向けていた。
「なに、突然。楽しそうだと悪いの?」
「別に悪かないけどさぁ……え、何おまえ、そんなに俺と会いたかったの?」
「松岡くん会いたかったぁ~~」
「えっ気持ち悪……っ」
松岡は俺の渾身の裏声に本気でドン引きしたらしい。
思いっきり顔を引きつらせながらのけぞったせいで、壁にぶつかった頭がゴチンと景気のいい音をたてる。失礼にもほどがあるだろ。
「武藤って、変にノリいいよな……ちなみに深田な、結構天然っつーか、むしろアホっつーか、やたら純粋で思い込み激しいとこあるからさあ。マジにとられても困るし、あんまりアイツの前でそういうネタやるなよ頼むから」
「ふぅん」
今はお手洗いに行っていてこの場にいない深田さんの名前を出した松岡に、俺は軽ーく返事をした。
ほんとにわかってんのか、みたいなジト目を松岡が向けて来てるけど、華麗にスルーしてサーロインステーキをつまむ。やっぱ国産牛うまい。