強引な彼の求愛宣言!
深田さんが、自分の先輩に俺との仲を取り持つよう頼んだとすると──それはつまり彼女が、少なからず俺に好意を持ってくれているということになる。

だけどこれまで一緒に過ごした中で、特に深田さんからそういった雰囲気は感じなかったけど。普通にノリが良くて、社交的なんだなって思ったくらいで。

そしてそんな明るい性格にも、自分はますます惹かれていってしまっているのだ。



「すみませぇん、お待たせしました~~」



間延びした声とともに、中座していた深田さんが戻って来る。

よいしょ、と座敷に上がって来るその姿は、トイレに向かう前よりずいぶん酔っ払ってしまっているように見えて。


もしかしてこの子、ちょっと動いたら酔いがまわった?



「あー、俺もトイレ行ってくるわ」



深田さんが腰を落ち着かせるなり、入れ替わるように松岡が立ち上がった。

……そのセリフは本当か? それとも気ぃ遣って?


思わず、お手洗いがある方向に消えていく松岡の後ろ姿を視線で追ってしまった。

そしてふと、こちらを見ていたらしい深田さんと目が合う。



「……えへへ」



俺と視線を合わせたまま、ふにゃり、破顔する彼女。

うん、さっきより酔ってるなこの子。結構顔も赤くなってるし。

これが、どっかの会話の途中で言ってた『へにゃへにゃ』の状態なのかな。かわいすぎて今すぐ持って帰りたい。
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