強引な彼の求愛宣言!
「……結構、酔っちゃってるね。水頼む?」

「えー、うーん、はい~」



肯定なんだか適当に言ってるだけなんだかよくわからない返事だけど、とりあえず店員を呼んでお冷を注文する。

威勢のいい店員から深田さんに視線を戻すと、なぜかまた、彼女はじっと俺のことを見つめていた。



「ん? 深田さん、どうしたの?」



相手は予測不能な行動がデフォルトの酔っ払いだけど、一応訊ねてみる。

そこで彼女はやはり、赤い顔をほころばせて。



「ふふふ。やっぱり武藤さん、素敵だなー」



あまりにも自然な調子で言われたそのセリフに、俺は思わず固まった。


え、なに今の。社交辞令? ただの社交辞令なのか?

ここはサラッと礼を言うべき? でもなんか、今のって……。



「? 武藤さん、どうかしましたか?」



混乱する俺をよそに、当の本人はのんきに枝豆をつまみながら首をかしげている。


……まさか今の、自分が思ったことついポロッと口から出ちゃって、だけど本人はそれに気付いてないパターン? 酔っ払いにありがちなやつ?

マジか、そうなのか。もしそうだとしたら、つまり本当に彼女は、俺に多少なりともいい印象を持ってくれているということで。

もしかして、この駆け引き──多少強引に進めても、良さそう?
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