強引な彼の求愛宣言!
「深田さんって、モテそうだよね。なのに彼氏いないの、不思議だな」



つい先ほど得たばかりの情報を引き合いに出しつつ、そんな質問で相手の反応をうかがってみる。

深田さんは一瞬きょとんと目をまたたかせて、だけどすぐに笑顔を見せた。



「え~、やだなー武藤さん。武藤さんにそんなこと言われると、照れちゃいますよぅ」



反応は、上々。

でも、まだ足りない。



「……ほんとに。こんなに深田さん、おいしそうなのにね」



笑みを浮かべて俺がつぶやいた言葉の意味をはかりかねたのか、「え?」とまばたきをする深田さん。

その後何やら自分の中で納得したらしく、拗ねたように頬をふくらませた。



「もー、武藤さん。たしかに私、肉付きよくてぷにぷにですけど~」

「ふふ。ぷにぷになんだ」

「どうせぷにぷにですよ深田は~」



……足りない。この子に、自分のことをもっと強く欲しがらせたい。

性格が悪い俺は、自分ばかりがガツガツ攻めていくやり方よりも──相手がこちらのことを気になって仕方なくなってしまうように働かせるプロセスが、楽しくてしょうがないのだ。



「……楽しいな。俺今日、来てよかったよ」



言いながら、今までの経験上相手にいい印象を与えるとわかっている微笑みを浮かべると。

視線の先の彼女も、同じように表情を緩める。



「へへ。私も、です」



何の穢れもなさそうな、その無垢な笑顔を見つめながら。

俺はひそかに胸の中、この女性を何がなんでも手に入れることを誓ったのだった。










/END
2016/02/21
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