秘密の契約
日菜はぎゅっと目を瞑った。



「日菜?」



「あたしの気持ちを言ったら……傷つくから……言えない……お願い、うちに連れて行って!」



そうだ、あたしが傷口を見てショックを受けたと知ったら……。



千波くんに言えば郁斗に知られてしまうかもしれない。



郁斗は事故を起こしてから今も自分を見るたびにつらそうな顔になるのに……。



ショックを受けたなんて言える訳がない。



「傷つく?」



その言葉で千波は悟ってしまった。



日菜の震える肩を見て抱きしめたい衝動に駆られたが千波は車を発進させた。




< 228 / 684 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop