かわいい君まであと少し
「目玉焼きにご飯とみそ汁がいい」
「そんな簡単なのでいいんですか?」
「うん。そういう朝飯って感じのするやつがいい」
「わかりました」
 リクエストに答え、明日の朝ごはんの準備に取り掛かった。
 日曜日に作った冷凍ごはんはまだのこっているから、今日はご飯を炊かなくていいな。
 味噌汁の具は残っている野菜でなんとかなりそうだね。志穂ちゃんって味噌汁飲めるのかな。
 バッグからノートを取り出してレシピを見てみると味噌汁の作り方が載っていた。
 味噌の量は少なめにすれば問題ないんだ。具材は野菜、わかめ、豆腐。これは普通の味噌汁と一緒か。へえ、納豆も食べられるんだ。明日は納豆出そうかな。望月課長は納豆を食べられるんだろうか。
 足音を消して、望月課長の隣に膝を着いた。
「どうかしたか?」
「大したことではないんですけど、納豆食べられますか?」
「ああ、好きだけど」
「よかった。明日、出そうかなと思って」
 望月課長は「そうか」と言った。ただその顔が微妙に笑いを堪えているように思えた。
「何がそんなに面白いんですか?」
「いや、神妙な顔つきできたから何かと思えば、納豆食べられますかって」
「しょうがないじゃいないですか。納豆苦手な人って結構多いし。朝から苦手な食べ物が食卓に並ぶなんて、あまりうれしくないでしょ」
「まあそうだな」
「ちょっと待ってください」

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