かわいい君まであと少し
「久しぶり。晃」
「え、あ、怜子。これは、違うんだ。ごめん」
また、違うのか。何が違うんだ。何がごめんだ。
「晃のごめんは聞き飽きた」
「違うんだ、ちょっとした出来心で」
あーあ、浮気は認めちゃうんだね。
晃が何かを言うたびに、私は自分がどうしようもなくバカな人間に思えた。
「晃、浮気三回目でしょ」
「えっ?」
「大学時代の友達とよく会っていたのも女でしょ」
晃は無言になった。横にあの女がいるらしく、何かをわーわー言っている。
「ねえ、スマホ、ハンズフリーにして」
「えっ?」
「ハンズフリー。そこにいる彼女と晃、二人に言いたいことがあるから」
「いや、それは、ちょっと、いくらなんでも」と言って、拒否してきた。
それに対して「いいから、早く」と低い声で言う。声色の変化で不味いと思ったのだろう。
ガタガタという音のあと、女の声がはっきり聞こえてきた。
「え、何してるの?」
「怜子がこうしろって」
もう全て終わらしてやる。バカだった自分も、どうしようもない彼氏という存在も。
「私は松本晃と別れます。そちらにいる彼女さん、どうぞご自由に。二つ、注意事項を伝えておきます。まず一つ目、三年間付き合って三回浮気をしています。もちろん、あなたを含めています。一年に一回の計算ですね。二つ目、浮気がバレると“違うんだ” “出来心” “ごめん”を呪文のように繰り返します。時には土下座もします。そんな男でもいいんですか? 私はもう懲り懲りです。松本さん、二度と連絡してこないでください。さようなら」
「え、あ、怜子。これは、違うんだ。ごめん」
また、違うのか。何が違うんだ。何がごめんだ。
「晃のごめんは聞き飽きた」
「違うんだ、ちょっとした出来心で」
あーあ、浮気は認めちゃうんだね。
晃が何かを言うたびに、私は自分がどうしようもなくバカな人間に思えた。
「晃、浮気三回目でしょ」
「えっ?」
「大学時代の友達とよく会っていたのも女でしょ」
晃は無言になった。横にあの女がいるらしく、何かをわーわー言っている。
「ねえ、スマホ、ハンズフリーにして」
「えっ?」
「ハンズフリー。そこにいる彼女と晃、二人に言いたいことがあるから」
「いや、それは、ちょっと、いくらなんでも」と言って、拒否してきた。
それに対して「いいから、早く」と低い声で言う。声色の変化で不味いと思ったのだろう。
ガタガタという音のあと、女の声がはっきり聞こえてきた。
「え、何してるの?」
「怜子がこうしろって」
もう全て終わらしてやる。バカだった自分も、どうしようもない彼氏という存在も。
「私は松本晃と別れます。そちらにいる彼女さん、どうぞご自由に。二つ、注意事項を伝えておきます。まず一つ目、三年間付き合って三回浮気をしています。もちろん、あなたを含めています。一年に一回の計算ですね。二つ目、浮気がバレると“違うんだ” “出来心” “ごめん”を呪文のように繰り返します。時には土下座もします。そんな男でもいいんですか? 私はもう懲り懲りです。松本さん、二度と連絡してこないでください。さようなら」