かわいい君まであと少し
「そろそろ帰ったほうがいいな。志穂も疲れたみたいだし」
「そうですね。部屋で少し休ませて、それから夕ご飯って感じですね」
「そうだな」
 駐車場に戻り、まず志穂ちゃんをチャイルドシートに乗せた。それから手分けして荷物を車に乗せた。
「何か忘れたものとか、失くしたものとかないよな」
「大丈夫です」
 車はゆっくりと走りだす。
 志穂ちゃんはすでに夢の世界だ。志穂ちゃんを起こさないように帽子と靴を脱がしてあげた。
「怜子、少し時間あるから何か必要なものがあれば買いに行けるけど」
「特にありません。この車、明日返すんですよね。ガソリン大丈夫ですか?」
「あっ、そうだった。言ってくれてありがとう」
 ガソリンスタンドに寄ってからアパートに帰るった。
 車に乗ってから志穂ちゃんは起きることはなく、今もぐっすり眠っている。ただ、あまり寝すぎると夜寝れなくなってしまうため、もうそろそろ起こさないといけない。
「あの、今日はカレーライスです」
「え?」
「忘れちゃったですか? 日曜日に今度カレー作るって約束。忘れたならいいです。ビーフシチューに変えますから」
「いや、覚えてる。怜子のカレー食べたい」
 寝ている志穂ちゃんを間に挟んで、なんて会話をしているのだろう思ったけど、本気でカレーを食べたがっている望月課長の顔は子供みたいだった。

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