かわいい君まであと少し
――ピッピッピッピッー、ピッピッピッピッー。
――ホーホケキョ、ホーホケキョ、ホーホケキョ。

「何これ」
 自分のスマホのアラームを止めた。昨日のうちにアラームは音量を小さくしておいてよかった。
 そして、うるさくない程度の音量にはなっているが、なんとも耳障りな音が聞こえる。

――ホーホケキョ、ホーホケキョ、ホーホケキョ。

 これってアラーム音だよね。
 起き上がり望月課長のほうを見ると、枕元にあるスマホから鳴っていた。
 ホーホケキョとは言っているが、だみ声のホーホケキョはすさまじい威力を発している。
 望月課長が起きないなら私が止めようかと思ったとき、布団からぬっと出てきた手がそのだみ声を止めた。
「おはよう」と言って、望月課長は起きあ立った。
「おはようございます。何ですか、そのアラーム音」
「ホトトギス」
「全く美しない鳴き声ですね」
「うん、だから絶対に起きることができる。俺はこれのおかげで一度も寝坊したことがない」
 望月課長はどうだすごいだろ、といった顔で説明をしている。
 あんな音なら誰だって起きられるよ。そんなアラーム音どこからダウロードしたんだろう。
 別に欲しいとも思わないアラーム音だっため、それは聞かなかった。

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