かわいい君まであと少し
 すると志穂ちゃんは「ウサギ」と言って、サルのぬいぐるみに自分のぬいぐるみを近づけた。
「わーい、僕とウサギちゃんはお友達」と、聡さんはウサギとサルの手を繋げて握手をさせる。
「志穂ちゃん、おさる君とウサギちゃんが仲良くなったよ。僕ともお友達になりませんか?」
 聡さんが志穂ちゃんの前に手を出すと、志穂ちゃんはゆっくりと手を出し、聡さんの親指を握った。
「なかよし」と言った志穂ちゃんは、聡さんににっこりと笑った。
「お、志穂、友達が増えたな」
 望月課長が志穂ちゃんの頭を撫でると、得意げな感じで望月課長を見上げた。
「よかった。志穂ちゃんに嫌われなくて。あの、もうすぐお昼の時間ですね。僕、お昼作ったんで一緒に食べませんか? 志穂ちゃんの分ももちろん用意してありますから」
「いいのか?」
「はい。怜子さんもいいですか?」
「ええ、お言葉に甘えて。何かお手伝いしましょうか?」
「いえ、大丈夫です。ちょっと待ってください」
「ありがとうございます」
「あ、そこにある絵本とかオモチャ、自由に使っていいですから」
 聡さんは楽しそうにキッチンへと行った。
「あの、聡さんって、保育士なんですか?」
「ああ、保育士として働いていた時期もあるよ。今は別の仕事してるけど」
「へえ」

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