かわいい君まであと少し
望月課長の説明で何か納得した。
おもちゃ箱の中に入っている絵本を取り出して、志穂ちゃんの前に置いてみた。
「志穂ちゃん、絵本読む?」
表紙には白いウサギがシャボン玉を膨らましている絵が描いてあった。
志穂ちゃんは絵本に興味を持ったみたいで、自分で絵本を開いた。
「うさぎさんは しゃぼんだまが だいすきです。きょう どこまで おおきく ふくらませるかな?」
読み聞かせしていると、志穂ちゃんは絵本のイラストを指さしたり、私が読んだ擬音の真似をしたりしている。
「望月さん、続き読んであげますか?」
一人つまらなさそうにしていたので声を掛けてみた。
「また、望月さん。ここに居る人間で、名字呼びしてるの怜子だけだぞ」
「あの、怜子呼び、私は許可してないんですけど」
その言葉を無視して、また志穂ちゃんを味方につけようとし始めた。
「志穂、悠太って読んでみて。ほら、ゆ・う・た」
何回か「ゆうた」と言い聞かせているうちに、志穂ちゃんが「ゆ」と言った。
「そうだ、志穂、ゆ・う・た、だ」
「ゆた」
私たちは一瞬固まった。そして私は堪えるように笑い、望月課長は「違う、ゆ・う・た」と繰り返した。
「ゆた」
「もういいじゃないですか。いいと思いますよ、ゆた。なんかファンタジー映画とかマンガとかに出てきそうなヒーローの名前みたいで」
望月課長を指さして「この人は誰?」と志穂ちゃんに聞けば「ゆた」と言った。
おもちゃ箱の中に入っている絵本を取り出して、志穂ちゃんの前に置いてみた。
「志穂ちゃん、絵本読む?」
表紙には白いウサギがシャボン玉を膨らましている絵が描いてあった。
志穂ちゃんは絵本に興味を持ったみたいで、自分で絵本を開いた。
「うさぎさんは しゃぼんだまが だいすきです。きょう どこまで おおきく ふくらませるかな?」
読み聞かせしていると、志穂ちゃんは絵本のイラストを指さしたり、私が読んだ擬音の真似をしたりしている。
「望月さん、続き読んであげますか?」
一人つまらなさそうにしていたので声を掛けてみた。
「また、望月さん。ここに居る人間で、名字呼びしてるの怜子だけだぞ」
「あの、怜子呼び、私は許可してないんですけど」
その言葉を無視して、また志穂ちゃんを味方につけようとし始めた。
「志穂、悠太って読んでみて。ほら、ゆ・う・た」
何回か「ゆうた」と言い聞かせているうちに、志穂ちゃんが「ゆ」と言った。
「そうだ、志穂、ゆ・う・た、だ」
「ゆた」
私たちは一瞬固まった。そして私は堪えるように笑い、望月課長は「違う、ゆ・う・た」と繰り返した。
「ゆた」
「もういいじゃないですか。いいと思いますよ、ゆた。なんかファンタジー映画とかマンガとかに出てきそうなヒーローの名前みたいで」
望月課長を指さして「この人は誰?」と志穂ちゃんに聞けば「ゆた」と言った。