かわいい君まであと少し
「お昼できたんで、片付けてください」
 聡さんがトレーに食事を乗せてキッチンから来た。
「志穂、絵本をこの箱に入れて」
 志穂ちゃんは望月課長が引き寄せた箱の中に絵本をしまい、テーブルの前に座った。
「エプロンしましょうね」
 志穂ちゃんの背後に座り、エプロンをつけてあげた。
「あ、志穂ちゃん、エプロンお揃いだね」
 聡さんは自分のエプロンに付いている向日葵のアップリケを指差した。
 志穂ちゃんのエプロンは向日葵がランダムにプリントされているものだった。
「ひまわり」と言って、志穂ちゃんは聡さんのエプロンを指差した。
「うん、向日葵だね」
 そう言って、聡さんはテーブルの上に食事を並べて始めた。
 内側が黄色で外側が白い深めのボールに入ったポテトサラダ、お皿のふちにピンクとグリーンのラインが入ったお皿にはクリームシチュー。そしてテーブルの中央には籠の中にかわいい動物が書かれた紙ナプキンが敷かれ、そこにロールパンが入っていて。
 志穂ちゃんの用には、クリームシチューと子供用の紙パックのジュースとプレーンヨーグルトにバナナが入ったものが、お子様ランチのようにワンプレーとでかわいらしく盛られていた。
「聡さん、すごいです。料理研究家のレシピ本やブログに載せているのみたいです」
「そうですか。そう言ってもらえるとうれしいです」
「聡は相変わらず女子力高いな」と望月課長が言った。
 大学生のときから聡さんってこんな感じだったんだ。モテただろうな。

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