かわいい君まであと少し
「仕事用?」
 聡さんがリビングへ移りローテーブルの前に座ると、スマホを操作し始めた。
「怜子さん、これ見てください」
 聡さんの向かいに座り、スマホを受け取った。
 画面にはかわいらしい動物が写真を次々と運んできた。たぶんお母さん向けのアプリかなと思った。
「かわいいですね」
「ありがとうございます。これはお母さん向けの写真共有アプリなんです。設定をすると、お母さんが撮った写真を、お父さんやお爺ちゃん、お婆ちゃんと共有ができるんです。保育士として働いていた経験を生かして、こういう子育て世代のお母さんが使いたくなるようなアプリの開発をしているんです。だから絵本やおもちゃも、僕にとっては仕事の資料でもあるんです」
「へえ。でもこれ本当にかわいい。設定をすれば自分専用のアルバムみたく使えるんですか」
「はい、可能ですよ」
 このアプリ、ダウンロードしようかな。志穂ちゃんの写真とか保存しようかな。
 アプリを操作しながら、使いやすさや見た目のかわいさに引き込まれていった。
「楽しそうですね」
「とっても。これ私のスマホにも入れます。これで写真を見たら楽しいですよね」
 アプリに夢中になっていると、望月課長と志穂ちゃんが帰ってきた。
「ただいま」
 志穂ちゃんの元気な声が聞こえきて「おかえり」と返した。
 二人は洗面所に行って手を洗ってから戻ってきた。
「志穂ちゃん、お外楽しかった?」

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