放課後、キミとふたりきり。

とうとう瞳の表面に溜まっていた涙が、音もなく頬をつたっていった。



「好き……です」


乾いた喉からしぼり出した声は、情けなく震えていた。



「過去じゃなくて、いまも、明日も……。矢野くんが、好きです」



言葉にしたのは、遠慮とか相手の気持ちなんてなにも考えない、磨かれる前の原石だった。

わたしの想いそのままの。


ぽろりとこぼれ落ちたそれに、自分自身で驚いた。



「好き、なんです……」


まるで涙のように次から次へと、矢野くんへの想いがこぼれてくる。

それを止めるためにぎゅっと目を閉じ手で口を塞げば、矢野くんがまた息を吐く。

今度はあきれや疲れではない、安堵のようなものが滲んでいた。



「あー良かった」


「え……」


「俺も」



矢野くんの頬がかすかに赤らんでいることに、その時ようやく気がついた。

そしてどこか照れくさそうにしながら、目を細めて笑う矢野くんに目を奪われる。





「俺もずっと前から、沢井のことが好きだった」

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