私、普通の女の子じゃないの。


それからどうなったか。

教室から彼が出ていったあと
私は一人教室に立ち尽くした。

そして、

“一人になりたい”

その思いが私を女子トイレへと連れていった。

女子トイレは薄暗く、誰も居ない。

私はボーッと上を向いて先程の行為を思い出した。一つ一つ思い出す度に私の視界が濁っていった。

上を向いているのにも関わらず、
それは次から次へと溢れでた。

あの時には全く出なかった。
しかし、彼が居なくなって全身の力が抜けたのだろう。

“もう、大丈夫。もう、終わったよ。”

我慢していた滴が一気に溢れでた。

私は一人でしゃがみこみ、震える手先で自分を抱き締めた。

私から溢れる滴はとてもキレイだった。
私の汚れた全てを洗い流そうとしていた。

しかし、もう手遅れだった。

私に付いたそのドス黒い汚れは
身体の奥深くまで染み、
傷の奥深くまで入り込んでしまった。

“この涙は私をキレイにしてくれるかな”

そんなこと思っては、この滴だけなんかじゃキレイにならないことを胸のどこかで分かってた。

私はそれ以上のことを考えることは出来ず、だただ感情の赴くまま泣き続けたのだった。


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