イジワルなカレの愛情表現
こっちは怒っているというのに、永瀬さんは必死に笑いを堪えている。


何がそんなに面白いというのだろうか。
永瀬さんを笑わせるようなこと、ひとつも言っていないというのに。


目の前で必死に笑いを堪えられれば堪えられるほど、苛々が増していく。


「では早速インタビューさせていただいてもいいですか?」

「はい、どうぞ」


手のひらを見せ、「いつでもどうぞ」と急かしてきた。


バッグから手帳とペンを取り出し、記事に載せる質問を書き留めておいたページを開く。


「永瀬さんが我が社に入社した動機はなんだったんですか?」


答えを手張に書き記すべくペン片手に待ち構えていると、永瀬さんはニッコリ微笑んだ。


「お前はどうしてうちの会社に入社しようと思ったわけ?」

「はい?」


まさか逆に聞かれてしまうとは思わず、ペンを落としそうになってしまった。


「だからお前はどうなのって聞いてんの」


〝聞いてんの〟って言われても困る。

むしろそれを聞いているのは、私の方なのだから。

なのに永瀬さんは、聞く体勢に入っている。
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