焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
「あ~……。もしかして俺、また外してるのかな。あんなとこ見られた後だし……部長にせっつかれてるから言ってるって思われてる?」


ちょっと困ったように目元を緩めて、勇希がポリッと指でこめかみを掻いた。


「でも、ごめん。俺、お前のこと好きだから。やっぱり、智美とじゃなきゃ、考えられないからさ。だから……同棲じゃない、はっきりした形にしたいんだ」

「っ……」


信じられない。
私が言いたかったことも聞きたかったことも、勇希はサラッと簡単に口にしてくれる。
あまりのことに呆然として、目も口も大きく見開くだけの私に、勇希は苦笑した。


「まだ返事出来ないならそれでもいい。だけど……俺たち、もっとちゃんと恋をしよう。そしたら俺はいつまででも待てるから」


その上、私が願ったことまであっさりと言いのけてくれる。


智美、と、勇希が改まった口調で私を呼んだ。
さっきまでより真剣な瞳で私を射抜く。
そして、私に向かって丁寧に頭を下げた。


「智美。俺と結婚してください」


どこまで誠実な勇希の態度と言葉が、胸にジーンと沁み入った。
あまりに嬉しくて、私は何も言葉に出来ない。


「あ……」


涙がこみ上げてくる。
私もちゃんと答えたいのに、頭の中グチャグチャで、なんて言っていいのかわからない。


「……智美」


ゆっくり頭を上げて姿勢を正した勇希が、再びまっすぐ私を見つめた。
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