焦れきゅんプロポーズ~エリート同期との社内同棲事情~
「……ズルい……」
やっと声になったのはそんな言葉だった。
言い切ると同時に、必死に堪えていた涙が頬を伝う。
「わ、私が言いたかったのに」
涙で滲む視界で、勇希がわずかに首を傾げた。
そして、私に向かってスッと手を伸ばしてくる。
その手が私の肩を掴んだ。
そのままグッと引き寄せられる。
いつの間にか夏の夕陽はすっかり沈んでいた。
日射しを受けてキラキラ金色に輝いていた勇希の髪が、落ち着いたトーンに色を落としていく。
ぼやけた輪郭がはっきりと浮かび上がって、それと同時に、私と勇希の現実が戻って来たように思えた。
ハッと我に返って、辺りを見回す。
さっきより通りの通行量は増えている。
通りの端に寄っているとは言え、近い距離で向き合って、その上私は泣いていて、嫌でも人目を引いている。
「あ……」
俯いて、勇希から離れようとした。
けれどそれより一瞬早く、勇希に腕を掴まれる。
「智美。周り気にするな。……智美が俺に言いたかったこと、聞かせて」
勇希の手に、ギュッと力が籠るのを感じる。
私は涙を拭って一度辺りを窺ってから、ギュッと唇を噛んでまっすぐ勇希を見上げた。
私の言葉を、勇希が待ってくれている。
私だけに向けられるその瞳が、焦れたように揺れるのを見た。
やっと声になったのはそんな言葉だった。
言い切ると同時に、必死に堪えていた涙が頬を伝う。
「わ、私が言いたかったのに」
涙で滲む視界で、勇希がわずかに首を傾げた。
そして、私に向かってスッと手を伸ばしてくる。
その手が私の肩を掴んだ。
そのままグッと引き寄せられる。
いつの間にか夏の夕陽はすっかり沈んでいた。
日射しを受けてキラキラ金色に輝いていた勇希の髪が、落ち着いたトーンに色を落としていく。
ぼやけた輪郭がはっきりと浮かび上がって、それと同時に、私と勇希の現実が戻って来たように思えた。
ハッと我に返って、辺りを見回す。
さっきより通りの通行量は増えている。
通りの端に寄っているとは言え、近い距離で向き合って、その上私は泣いていて、嫌でも人目を引いている。
「あ……」
俯いて、勇希から離れようとした。
けれどそれより一瞬早く、勇希に腕を掴まれる。
「智美。周り気にするな。……智美が俺に言いたかったこと、聞かせて」
勇希の手に、ギュッと力が籠るのを感じる。
私は涙を拭って一度辺りを窺ってから、ギュッと唇を噛んでまっすぐ勇希を見上げた。
私の言葉を、勇希が待ってくれている。
私だけに向けられるその瞳が、焦れたように揺れるのを見た。